みなさん、こんにちは。
今日は乾癬という病気についてご紹介したいと思います。
先日、芸能人の道端アンジェリカさんもこの病気に悩まされている患者の一人という報道もありましたね。
乾癬は慢性的な皮膚疾患です。典型的な症状は、皮膚に赤く盛り上がった紅斑こうはんが発生し、その上を銀白色の鱗屑りんせつがかさぶたのように覆います。
乾癬の種類は主に5つに分類されます。
上記の症状が頭皮や膝、肘などの部分に好発する尋常性乾癬は乾癬患者全体の約9割を占めます。
そのほか、乾癬性関節炎、膿疱のうほう性乾癬、乾癬性紅皮こうひ症、滴状乾癬があります。
乾癬でできる皮疹の大きさ、形は様々ですが、症状の進行につれて数が増え、形が変わっていき、複数の皮疹が癒合ゆごうして全身に及ぶこともあります。
皮疹は体中のどこにでも発症しますが、頭部や肘、膝、臀部でんぶなど連続した刺激を受けやすい部位や太陽の光が当たりにくい部位で発症頻度が高いのが特徴です。
かゆみは、乾癬患者の約60〜90%にみられますが、個人差があり、強く感じる人も全く感じない人もいます。
乾癬の治療法には、主に外用療法、内服療法があります。
外用療法では塗り薬を皮疹に直接塗布します。乾癬治療の中心となる治療法で、多くの患者さんは外用療法からスタートします。
主な塗り薬は、ステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬で、症状に応じて単独もしくは組み合わせて使用します。
ステロイド外用薬は炎症を抑える薬です。効果の強さによって5段階に分類され症状に応じて使い分けられます。
長期間使用すると副作用として皮膚が薄くなる、毛細血管が拡張して赤くなるなどの症状がみられることがあります。
一方の活性型ビタミンD3外用薬には、表皮細胞の過剰な増殖を抑える作用があります。
効果が現れるまでに時間がかかる短所がありますが、ステロイド外用薬のように皮膚が薄くなるなどの副作用がないことから近年乾癬治療で広く用いられています。
副作用には皮膚の刺激感、1日の制限量を超えて使用すると血中のカルシウム濃度が上昇し、稀にのどの渇き、脱力感、食欲不振が現れる場合があります。
内服療法は飲み薬を服用する治療法で、中等症から重症の乾癬の患者さんに用いられます。
主な飲み薬はビタミンA誘導体(レチノイド)や免疫抑制薬であるシクロスポリンなどです。
ビタミンA誘導体は表皮細胞の過剰な増殖を抑える薬で、光線療法と併用されることもあります。
近年、生物学的製剤の種類も増えてきたので、適切な使い方や副作用に注意し、治療費を勘定しながら、自分にあったものを医師と相談して選びましょう。